きれいな夜景をつくるおしごと~確認がとれないと帰れない~

B2Cの広告系web制作をやってから、B2BのMAとかやる仕事についた。

「使えない」

やべぇ仕事が超燃えている… もはや若者と遊んでいる余裕がないわ…!
週に一回の出勤日も、嫌な汗をかきながら作業を進めないと間に合わない。

いつものアレの方もむつかしい顔をしながらインターンさんにレクチャーをし、ドキュメントを作り、取り合えず先にインターンさんたちを上がらせている。

 インターンが帰って、私と二人になった瞬間ボソリ……

「…だめだ… 使えない……あいつら使えねーーー……」

 

いや少なくとも「インターン」に対して成果を求めて当然みたいな、そういう言葉を口に出すことは私は許さない、と思って彼を見ると「●●(個人名)も…○○も使えない……スキルが達してない…指示待ち……」と呟いている、え、え…
これ本人もメンタル的にちょっとキテる感じがする…

二分くらいで「…よし、かえる!」ってすっと立ち直ったけど…

 

この子の中で「後輩を使えないとか言っちゃダメ」とか「インターンに一人前のパフォーマンスを求めるのは無意味」とか「でも仕事だから…ちゃんとした品質・納期でやらないと…」「最後は自分一人で回収しなきゃいけないけど不可能かも…」とかいろんな葛藤が渦巻き、それを、瞬間吐き出して、立ち直って、泣かない。
えらいというかすごいけど、こんな状況を強いる会社の状況の方がそもそもおかしいというか。

弱い存在(インターンとかバイト、新しく入ってきた不慣れな営業)に重みを背負わせて死んで(休職、失踪など…)いかせる、それで生き延びる事に意味はあるのかな。

 

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド

 

 一角獣たちを開放する方法はないのかなぁ。

心の中に

いつものアレ(友達?)について、一緒に飲みに行くと八割くらい彼が喋ってそして四時間くらいが経過(8時に店に入ってもam2時まで余裕です…)することに今更気づきました。

私もまあまあ若者の話を聞くのは嫌いじゃないんだけど(というか好きだけど)オマエちょっと話しすぎじゃないか…!

しかも私は割と洗脳されやすく、言われたことはつどつどメモって、その後はてぶとかTechCrunchでその単語が出たら読んでみる…を繰り返しているうちに一応多少概念だけは理解できるようになってきた…すげーな高学歴…
この老害に新しいことを多少なりとも覚えさせるとは。

 

まあ仕事の話以上にどーでもいい「うちの犬がかわいい」とか「○○さんがさー」とかの雑談があって、でも彼が「あのねー」と話す多くの事はとてもほのぼのとしていて、それぞれのことに彼がやさしいまなざしを向けているのがよくわかる。

いつか自分もこの思い出話の一つになるのだろうか。「最初に働いてた会社のおばちゃんが強烈でさ…」とか。そうやって誰かに私がいたことを伝えてくれるのであれば、私自身が君と違う世界に行っても、そんなに悲しくないような気がするんだ。
来年、誕生日がきたら、私のことをちょっとでも思い出してね(誕生日がとても近いので、会社でまとめて祝われた)。誰かに私の事を話してね。とお願いしたら

「人に話したりしてないよう。すぐいなくなるみたいな事ばかり言わないで!」と怒られた。

 

ごめんよー、と謝ったけど、君(90年生まれ24才)がちゃんとした大人(というか、ちゃんとした職業人)になるころには、私はおそらく同じ枠組みにいないだろう(会社がどうこうという以前に、制作職で35才はもはや限界値な上、私はデザインとかシステムについては実はあまり興味がない。ただ、目の前にあることを解決するための方法を模索はしているというだけ)ということを、10年余計に生きてる自分は知っている。

私に対してもつ「いなくならないで」の気持ちを忘れないで。その気持ちを持ち続ける限り、仕事において「他者がいる」ってことをポジティブに受け入れることができる。(「自分しかいなくなればいいのに…!」って思い始めたら絶望です!)

たとえ喧嘩ばっかりしてる相手でも、何にも教えてくれない相手でも、「この人がいなくなったら悲しい」って思う気持ちを持たなければ、他人に対して苛立つだけの生活になってしまうよ、少年。

『加速』したくはないか、少年、って感じで君たちはどんどん先に行ってしまって、私とは道が分かれていくのだろうな、と思うけれど、私の中に過去の同僚が教えてくれたことが生きているように、私の事を若い人が思い出すんなら、それはそれで悪くない。

加速することによって喪われるわれわれを、たまに思い出してくれれば、いいから。

 

アクセル・ワールド〈1〉黒雪姫の帰還 (電撃文庫)

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暇じゃないから!

今日やるべきことをやっていたら、別の修正が「これやって」「これやって」「これやって」ってきた…
えらいひとは二週間とか一週間刻みでやたらスケジュール詰めてくるんだけど、webサイトってリリースした後コマコマ「あれやって」「これやって」って必ず出るもんだし、私が手を開けてるのは暇にしたいわけじゃなくて(個人的にここはあとで改修しよう…とか、この期間はこの調査書を上げなくてはならないとか、いちいち報告してないだけでまあまあやってる事はある)運用分の吸収のためなのに。

私の後に入ってきた人すら既にヨレヨレになりつつある。ここで退職者(もしくは休職者)出したらチーム全体が一気に危機になるのに全然理解されない。悲しすぎる。

 

…という話を若者に「ねえ!ちょっと聞いて今信じられない理不尽が私を襲ったんだけど!!」って話しかけたら(チャットツールで)

若者「俺今犬と遊んでるんで」

犬! 犬だと!! 確かに写真見せてもらったけどかわいいよな犬!!
でも私の危機より犬の方を優先するのかお前は!
私(35さい独身)より犬(室内犬・二歳くらいだという話)がそんなにかわいいか!!

 

犬かわいいよね…(いろいろ諦めた)

nintendogs + cats トイ・プードル & Newフレンズ

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「鬱ってことにしておけばいいんだよ」

先日いつものアレにgitの使い方など聞いていて

svnは使った事あるんだけど、gitは経験ないので自信がない。でも業務上どうしても必要があり触ることに)

『うう…事務なのに事務からどんどん離れていく…』

若者「gitは便利ですよ。業務は…まあ…嫌だったらそれは上にきちんと言わないと」

『…イヤ…イヤというか…うーん…そういうテクニカルな事が好きか嫌いかで言ったら普通の人間よりは好きだと思います。そうでなければコーダにはならなかったし。
でも一番嫌だなって思うのは「○○(上司。いろいろ借りもあるけど油断のならないオッサン)さんの思う壺になる」っていう状況がイヤ』

若者「また…この人はすぐそういう感情の問題にするんだから…」

オッサン「そういう時は、”私ぃこのままだと鬱になっちゃいます!”って言えばいいんだよ」

突然、今月から中途入社してきたオッサン(職種:プロジェクトマネージャー)が割り込んできた…

『いや…詐病はちょっと…私は』(アワワ)

オッサン「病院行ってさ!なんかペーパーテストみたいなのやればすぐだから。
鬱ってことにしておけばいいんだよ」

黙れ(心の声)
若者「そうですかー。テストはどんなかんじですか」(助け舟)

---
実は私よりも若者の方が「鬱」という単語には過敏にならざるを得ない背景があり、個人的に親しいせいで私はそれを聞いていたのですが
とっさにうまくかわせなかった上に結局彼の方が私の動揺を見て、話題をそらしてくれた…

 

『私あのひと嫌い……』

若者「アハハw 言うと思った。
ぐいぐいくるタイプだからmalさんダメだろうなと思いました」
うん…でもそれ以上に、彼自身の方が当事者として嫌な思いをしただろうに、何もできなかったっていうのが情けなかったんだよう…

 

 

逃げても いいのよ

ここ数日、ド級に理不尽なことがあって、滅多にないことですが他人に本気で牙むいて怒りました。めちゃくちゃな量の修正依頼を営業さんが持って帰ってくる×3。
毎回「これで最後だから!」って鼓舞しながらチームを引っ張りましたが、ついに熱で倒れるスタッフが出て、「ここから先の修正は私一人で巻き取るしかない…!」(技術レベルは低いが経験が長いので、時間かければ一人で終わらせることはできる。あと体が無用に丈夫)とやっている中、
偉い人から営業さんが「普通のエンジニアやデザイナーなら逃げてるから!malさんには感謝してね!!」って(私に聞こえるように)叱られているのを見て、なんかもう、ゲッソリしました…
私だって可能であれば逃げたいわ…

例によっていつものアレ(ともだちっぽい何かになった若者)に「ほんとアイツクズ。カス。人間的に。もう世界が終わればいいのに…」と愚痴っていたら

 

「malさんは逃げないでくださいねークスクス」
って言われた。※今月、病気休職一人、バックれ辞め一人です…

『あなたが奢ってくれるなら考えるかもねw』って言ったら
「お金あんまりないので、安いところでなら…」っていうので、慌てて
『あなたがどうしようと、私は私が逃げたくなったら逃げる。それは私と会社の間での問題であって、あなたが介入できる問題ではないのよ』と言ったら
「すみませんでした。」ってショボン(´・ω・`)ってなってしまいました。

 

私が辞めたら寂しいんだろうなーというのはうれしいんだけど、でも、「逃げて元気に生きられるんなら逃げても全然いいんだよ」っていうのは伝えたい。組織の論理に染まっても全然幸せにならないし、それを他人に強要する人間には絶対ならないでほしい。
自分が今無理をしてるのは会社のためではなくて、自分自身の業務として責任もあるし、スタッフに対しても責任を感じているから、自分が無理をしてでも早く片を付けたいという選択の結果であって、会社に対してはすごく不満たまりまくりです。
「自分は強いから生き残った」という自信を持つことは止めないけど、強さがないと生き残れない会社ってなんか、おかしい。無意味だ。

少なくともああいうレトリック(「malさんは逃げないから偉い」と他人に言う姿を見せること)でいい気分にできるとか思う人間は許さない。

 

レトリックと詭弁 禁断の議論術講座 (ちくま文庫 こ 37-1)

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放課後ホストクラブ的な…?

若者と飲みにいった!ビアバーに!

若者「おなかすいてるから食べていい!?」

『おぉお食べなさい』

(私は年寄なので、胃がもたれるのでつまみは軽いものしか食べないようにしています)

うーんしかしビールはそれだけ飲んでてもおなかが膨れる…ちょっとつらい…

次回はビアバーじゃなくてワインバーにしよう…

お店「○○のチーズ焼きです!お熱いのでお気をつけください~」

若者「どれくらい食べる?」

『私は少しでいいよー』

 

せっせと取り分けてくれる若者…!しかもちゃんと好み確認してくれる…!
(私が♀で相手が♂です)なにこれ… ホストクラブ…! 終業後ホストクラブ…!?

もちろん私が全額払いました!!「金で買った関係」って言われてもいい!!

 

自分は「取り分ける」「お酌をする」とかの女子力行為が一切できず(されるのも嫌い。自分のペースで飲食できないし、ワインとかはお店の人にやってもらうし)いろんな局面で「何お高く止まってるんだよ」(男性から)とか「潔癖すぎて引くわ」(女性から。女性でもサクッと取り分けてくれるのはいいんだけど、それをやることで「場慣れてる私」「気が利く私」をアピールされるのは嫌い…自分が飲食するものをお店の人につつきまわされる行為自体がなぁ…)とかさまざまあって「そもそも仕事の飲み会自体嫌い」って感じだったんだけど、新しい自分を発見した。90年代うまれかわいいな。90年代うまれを私に自慢したことは許さないけど。

 

家で飼ってる犬(エンジニアの中で珍しく彼は犬派)の話とか、家族の話とか、仕事の話とか、技術の話(私が理解できるのはほんの少しの部分だけど)とか、たくさんの事を話してもらって、それに耳を傾けていると、自分のコミュ障がゆるされたみたいで、ちょっとほっとしました。
「もーーほんとあなたはロジックじゃなくて感情で話すからな!!呆れるわ!」って言われたけど。
あぁ今自分ちょっと楽しい。近い将来にこの会社を辞めたとしても、今ちょっと楽しかった、っていうことは自分にとって糧になる思い出になるだろう。

昔の事を思い出しても、だんだん悲しくなくなってきていて、それが「忘れる」になっていくのかな。
いつかみんな消えてしまう気がする…という歌を歌いながら若者がもくもく食べているのを眺めている30代です。

 

国境線上の蟻?THE BEST

国境線上の蟻?THE BEST

 

「夜八時過ぎてまで会社の同僚の顔見ておいしく酒が飲めるほど、人間ができてないよ…」と10才下(一応同僚ではある)に嘆く30代。

許すか、許さないか

その後もとりあえず、辞めないで働いています。

 

「かかわりあうことでわかりあおう」とか青臭いことをいった若者については、一か月コッテリ「30代のめんどくささ」を思い知らせて差し上げましたが、なんと切れもせず、むしろ「中学生の時の自分」とか「家庭の事情と自分」とか、それに対して今の自分がどう思ったか、を整理された言葉で語ってくれる(そして私と同じ量飲んでも潰れないしタバコ吸っても怒らない)という、奇跡のような友達(に近いなにか)になってくれました。

「おまえみたいな恵まれた高学歴に、私の何がわかるというんだ…!」って感じでいじめたおしたのに。あんまり恵まれてない人生(失礼)の中で努力し続け結果を出し「それでも俺は俺の信じるやり方で他人と関わり合い続ける」「あなたは俺と違うやり方を貫きとおすというならそれはそれで止めないし、興味深い」

私が別の人(営業か~ら~の~無茶ブリとか)に不当に扱われたときはそっと調べて「コイツにちくれ」(上流で誰が管理しているかを調べて、無理のあるスケジュールであることを正当に伝えろというアドバイス)までしてくれる。お前菩薩かよ。私の10才下のくせに…!
な…なんだこの人間ができた生き物は…!

相手が私を嫌いになるまえに、私が私自身を嫌いになる(他人をいじめるのはエネルギーが必要です)というしょんぼりな結末でした…

 

「どんな状況になったとしても、自分の気持ちは伝え続ける」というその人のやり方は、まだ若い時代にあったトラブルに対する後悔によるもので、でも内容を聞いたら「えっ…なんでそんな事があったとしてもそういうやり方を選び続けることができるの…」という内容でした。

私はどっちかっていうとトラブルの相手の方(辛いことがあったら、相手の謝罪も含めて一切の接触から背を向ける。自分の気持ちは自分だけのものであって他人の行動とはかかわりがない)と同じ行動をとる人間で、たぶん年齢が離れていなかったら(実際、会社の中で同じくらいの年代の人に嫌なことを言われたとしても「承知しました」以外のことは言ってない。そんなに長く勤務はしないだろうし、職種が違うのでわかり合うことは不可能だし、謝ってもらったところで結局時間の無駄だという考え方)自分のスタンスはこうだ、ということさえ伝えなかったと思うんだけど、激しく過去を憎みながらも「だから俺は他人にコミットし続ける…! 相手を変えるためではなく、俺自身の為に!」「みんな(さらに若い世代)ももっと自己主張してくれることを望んでいる」という、彼の主張は、自分が失ったもの、得られなかったものを見せつけられる気がして少々気がめいります。

私は他人の事を慮る余裕がない。そんなことはよく理解しているのに、今更それを見せつけなくてもいいじゃん的な。

「俺には関係ない」を気取ったところで、私のそれは単なる保身と自己欺瞞にすぎないんだなぁって思うと、ゲッソリしてくる…

 

戦闘妖精・雪風(改) (ハヤカワ文庫JA)

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