飯漫画のつもりで読んだら、こんな…こんなん泣くだろう……! あかんて……!!!
飯漫画にありがちな、ずっと同じ日常繰り返し系漫画かと思わせつつの…
- 主人公がけっこう(無知というか世間知らずゆえの)悲しいイベント多い
- その悲しさが割と社会人としてはあるあるな感じ(理不尽な怒られではなくて、そりゃそうなるよね…みたいな…)
- 主人公(企画職志望だったけど、配送というかシステムっぽい部署採用)に限らず、大体みんな夢(絵本作家とか国連職員)は叶わない
- 都内(月島)に実家がある同僚(パン好き・兄が過保護)は勝ち組(主人公のような辛さ体験がない、その分成長のなさをちょっと恥じる善良さもある)
- 時間の経過とともに仕事での辛さは減っていくが、実家の親族は老いていくし、ペットは容赦なく死ぬ(友人の犬・同僚の猫・主人公の実家の犬)
- 真面目優等生キャラの主人公よりも、専門学校卒で新卒就職で挫折したデキ婚の妹が現状幸せ(子供と優しい夫に恵まれ、実家の近くで育児を助けられながら好きなペット関係の仕事を続けている、中古車買ってハッピーなマイルドヤンキー系ハッピー家族)になっている……
自分も地方から東京に来たのでシンパシー感じてしまう…つらい労働を耐えるためのご褒美のごはん……!「夢は叶わない」「幸福な日常はずっとは続かない」の解像度の高さよ…!
私は飯漫画に恋愛要素はいらない派なんですが、最近(11巻くらいか…?具体的なデートが出てくるのが15巻くらいから…)になって主人公にようやく浮いた話が出てきて、マジで親戚のように喜んでいます。それくらい日常の切なさがある…
辛い描写だけだと後味悪くて読んでられなかったけども、全体に主人公やその他が真摯に努力する人間として描かれているのと、偶然とか幸運はその上についてくる、恋愛ですら一人で考えて結論を出すものだというクールな姿勢が応援したい気持ちになる。ペットの死も避けられない別れとしてさらりと描写されているので、悲しいけども「幸せな時間をたくさんくれてありがとう」みたいな受け止め方になりました。限られた時間だからこそ感謝しないといけないなと。
Life Is Strange: True Colorsの
「自分で選ぶから 少し人生を好きになれる」と同じで、自分で決めて、考えて行動することで幸せ(というか納得?)が得られるのだというのが自分は好きなので、この漫画すごく好きになりました。幸せな結末があると信じたい。
現実はなんていうか…もっと必ずしも公正でもない…という側面もあるんだけど、その不合理までもフィクションで再現されても楽しめないので…これくらいがちょうどいい。